日本の医薬のはじまり

日本の医薬のはじまり

日本で最初に医療行為をした人物として書物に登場するのは、『古事記』に登場する大国主命(オオクニヌシノミコト)です。それは、皆さんおなじみの「稲羽の素兎(しろうさぎ)」のお話。「昔々、だましたサメに毛をはぎ取られて泣いている素兎をみた大国主命(オオクニヌシノミコト、別名オオナムチノミコト)は、『すぐに河口へ行き、真水でよく身体を洗い、岸辺に生える蒲(ガマ)の花粉をとって敷き散らし、その上に寝転べば、治るよ』と素兎に教えます。素兎がそのとおりにしてみると、赤くただれた皮膚が治った」と記されています。 このお話は、神話の世界の夢物語にとどまりません。何故なら、ガマの花粉には「蒲黄」というれっきとした生薬名があるからです。効能は、外用としては外傷やヤケド、痔などに効果があるとされています。『古事記』や『日本書紀』で日本に医薬を広めたとされる大国主命(別名、大己貴命オオナムチノミコト)や少彦名命(スクナビコナノミコト)は、「医薬の祖」、「薬祖神」とされています。現在でも、製薬会社や薬種問屋が軒を並べた日本橋界隈などで祀られ、大切にされています。 以前、中国人女性観光客の方が来館された際、「近くに病院も薬局もない地域に住んでいた時は、消毒しないで傷口に直接ガマの穂綿を絆創膏代わりにつけていた」という大変興味深いお話を伺いました。日本全国で湿地が減少しガマを見かける機会が少なくなっていますが、忍野村にはガマの自生地があり、村民にとっては身近な植物となっています。

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