富士山の水~その2~

富士山は巨大な水瓶

富士山の降水量は年間22億t(25億t)ともいわれ、一日の平均換算降水量は約600万tと考えられています。その内、約150万tが蒸発により失われ、残りの450万tのほとんどが富士山体に浸み込んでいるといわれています。富士山に降った雨や雪は水を通しやすい表面から水を通しにくい層の上部や割れ目などを流れ下り、度重なる噴火により形成された溶岩、スコリア、火山砂礫などの層で長い年月をかけて濾過され、溶岩流の末端や横などから湧き出しています。

標高2000m以上を「無水域」、標高800m~2000mは「乏水域」といわれ、そこで浸み込んだ降水が標高800m以下の「豊水域」で湧水として地上に現われると考えられています。しかし、無水域や乏水域でも水を透し難い層(粘土化した火山灰や緻密な溶岩流など)のある場所では水が湧き出すことがあります。忍野村は標高936mですが、溶岩流の端や桂川の中など村内のあちこちで水が湧き出し、富士山の恩恵に浴しています。

関連記事

  1. 富士山の水~その3~

  2. 富士山の水~その1~