忍野村と薬草

忍野村と薬草

忍野村をはじめ、富士北麓地域では古くから地元で採れる様々な薬草が利用されてきました。江戸時代は富士山信仰が盛んだったこともあり、霊峰富士の山麓に自生する薬草は大変有難く尊いものとして珍重されていたといわれています。また、標高の高さによる植生の違いなどから、江戸時代は本草(薬草のこと)研究者が調査に訪れるなど、貴重な薬草の多い地域として認識されていました。

忍野村で利用される植物の例を挙げると、ヘビイチゴ、ワレモコウ、オトギリソウ(写真)、センブリなどがあります。村の60代の女性からは、子供のころに業者が自宅にオトギリソウを買いに来ていたという話を伺ったことがあります。村内に自生しているオトギリソウが、販売目的で採取されていたというのです。海外でも、古くから西洋オトギリソウが「セントジョーンズワート」の名で薬草として親しまれています。忍野村では、今も様々な薬草が自家製の民間薬として利用されているのです。

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